母乳と粉ミルク(0~3ヶ月)
母乳で育てるか粉ミルクかで育てるか、は育児における最初の大きな選択だろうと思います。どちらを選ぶかで、今後の育児スタイルに違いが出てきます。母乳の出が悪い、赤ちゃんの吸う力が弱い、フルタイムの仕事を再開したい(始めたい)という場合は粉ミルクにした方が良いでしょう。仕事をしているお母さんでも変則授乳(朝と夜たっぷりあげて昼はミルク)は可能です。
粉ミルク育児のメリットは場所を選ばないということ、決まった量をあげられることです。お湯と粉ミルクを入れた哺乳瓶を携帯していれば、どこへでもお出かけできます。また、あげた量が目に見えない
母乳と違って、決まった量を授乳することができます。赤ちゃんが飲んでくれれば、ですが。
一方、母乳育児の場合、授乳できる場所をあらかじめ考えて移動しなければなりません。長時間他所に預けるときは、搾乳する必要もあります。新生児から離乳食を始めるまでの5~6ヶ月の間は、赤ちゃんは頻繁に母乳を飲みます。離乳食が始まっても、泣いて欲しがる赤ちゃんは多いです。
こう書き出してみると、母乳育児の方が少し面倒?と思われがちです。それでも、母乳育児をWHOや厚生省が薦めている理由は、なんと言っても母乳が「赤ちゃんにとって必要な栄養素を備え、免疫力を高める最良の食事」だからです。特に初乳(赤ちゃんが初めて飲む母乳)には、妊娠5~6ヶ月の頃からお母さんの身体の中で用意された抗体が含まれていて、赤ちゃんの免疫力が発達するまでの間、感染予防をしてくれます。また、初乳を吸うことによって、母乳の分泌量は必要量に比例するようになるので、赤ちゃんが吸えば吸うほど母乳が作られて枯れることはないのです。
母乳育児は栄養面だけではなく、母子のスキンシップには最適です。授乳における肌と肌との触れ合いは、他では得がたい深いコミュニケーションだと言えるでしょう。